【Fate/FGO 原典解説 シリーズ】 ロムルス ‐ローマ建国の祖‐

「全ての道はローマに通ず」のことわざでも有名な古代の大帝国ローマ。その大帝国であったローマの建国に深く関係している人物「ロムルス」について話していきます。

ソーシャルゲーム「FGO」では「ローマ!」で有名な「ロムルス」。そんな彼は、古代ローマの建国神話では非常に重要な人物であり、世界に名をはせたローマ帝国の建国の祖として伝えられていました

1.出典

ロムルスは「ローマ建国神話」で登場する王政ローマ建国の伝説の初代王です。

ラテン貴族の子として生まれ、叔父アムーリウスを倒し、祖父ヌミトルをアルバ王へと復権させ、その後に多くの冒険を経てローマを建国した。

ロムルスは、ローマの最初の国王として元老院、軍団、七つの丘などの古代ローマの根幹にかかわる事業、概念を整備していきました。

また勇敢な王として他都市を征服して国を豊かにしていったが、同時に強権的な王として元老院とは対立したと言われている。

2.ロムルスの伝承

ロムルスには弟レムスがいますが、彼との伝承の多くは、史実というよりは何らかの背景を持って伝承された神話と考えられている。

1、ロムルスの誕生

古代ローマのギリシア人著述家プルタルコスによれば、古代ギリシアの滅んだ国トロイアの末裔のアエネアースの子孫のアルバ王のヌミトルの一人娘のレア・シルウィアが叔父のアムーリウスの謀反によって父を幽閉され、兄弟は殺害されてしまい、自身も子孫を残すことの出来ないように神殿に幽閉されてしまう。

そんな中、彼女は軍神マルスに見初められ幽閉中に双子を身籠り出産しました。その双子が「ロムルスとレムス」である。しかし、叔父アムーリウスは出産のことを知ったことで、双子のを殺害するように兵士に命じました。

2、狼の双子

双子の殺害を命じられた兵士達だったが、幼い双子を憐れんで密かに籠に入れて双子を川へ流しました。

川に流された双子は、精霊によって救い上げられ雌狼に預けられる。さらに羊飼いに拾われ、ロムルスとレムスは成人するまで育てられた。

3、アルバ戦争

ある日、成長した弟レムスはアムーリウスの配下と諍いを起こして捕われ、そこで初めてロムルスたちはアムーリウス王の甥で、祖父のヌミトルが幽閉されていることを知ることになりまた。

ロムルスは弟と祖父を救うために剣を取り、仲間の羊飼いを率いてアムーリウスの王宮へ攻め入りました。この戦いを「アルバ戦争」と呼び、ロムルスは激闘の末、アムーリウスに勝利しました。

解放された祖父ヌミトルはロムルスとレムスが王位を継ぐよう勧めたが、2人は自らの王国を創るために宮殿を後にしました。二人には武勇を認めた多くの貴族や兵士が付き従っていきました。

4、国造りと弟レムスとの闘い

建国に当たり、ロムルスとレムスはそれぞれ別の丘に城壁を築くべきだと対立します。2人はそれぞれの丘に祭壇を作り、神の啓示で決めることにしました。

しかし。先にレムスの祭壇に神の使いである鷹が6羽降り立ったのに対し、ロムルスの祭壇に遅れて12羽の鷹が降り立ちました。「先着」か「量」かでさらに口論になり、兄弟の仲は悪化していきました。

レムスは挑発として、ロムルスが国境として引いた溝を飛び越えてしまい、レムスの行為にロムルスは激怒し、兄弟は決闘をすることになりました。

結果はロムルスが勝利し、レムスは命を落とすことになりました。ロムルスは「この壁を越えんとする全ての者に災いを」と祈り、弟の死を悼んだ。

5、ローマの建国

ロムルスは都市を完成させ、この街をローマと名付けました。ローマには周辺のラテン人が次々移住し、ロムルスは7つの丘に城塞を築いて人々を住まわせました。

ロムルスは居住区や軍勢、内政などを整備し、順調にローマを豊かかになりましたが、住民の女性が少ないことが問題となっていました。

そこでロムルスは祖父と相談し、サビニ人たちと親睦を深めて女性を移住してもらうよう提案されました。

6、サビニ戦争

早速ロムルスは祭典を行いサビニ人を招待するも、サビニ人たちはローマを警戒して移民の申し出を断りました。これに激怒したロムルスは、祭りに訪れたサビニ人の女性を誘拐し、ローマに連れ帰って未婚の男性に嫁がせてしまいました。

娘を連れ去られたサビニ人たちは怒り、「サビニ戦争」と呼ばれる争いに発展することになってしまいました。戦争はローマが勝利し、サビニ人たちの地はローマへ併合された。

ロムルスは戦争後、サビニ人たちに配慮して共同統治を許可し、有力者達は元老院に招き、議員に任命するなどサビニ人に対する待遇は良か。ったのことである。

7、ロムルスの最後

ローマを建国し民を導いたロムルスであったが、ある日豪雨の中で忽然と姿を消し、消息不明になってしまう。その後ロムルスの姿を見た者はなく、死んだものと見做された。

ロムルスは暗殺されたという説もあるが、使命が満了したことで神によって天に招かれたともされている。死後にロムルスは「神祖」として崇拝され、神殿に祀られた。

元老院によってロムルスはクィリヌス神はの化身であり、この世での目的を果たし、天に帰ったものとされた。

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