【Fate/FGO 原典解説 シリーズ】ギルガメッシュ -古代メソポタミアの最古の英雄-

「Fate/Grand Order」にも登場している偉人を紹介しているこの「Fate/FGO 原典解説 シリーズ」。今回は、絶賛舗装中の「絶対魔獣戦線バビロニア」にも登場している「ギルガメッシュ」について紹介していきます。

「ギルガメッシュ」の出典は、古代メソポタミアの「ギルガメッシュ叙事詩」空になります。

ギルガメッシュ叙事詩

「ギルガメシュ叙事詩」とは、古代メソポタミア文明(現在のイラン)で記された作品で、世界最古の物語の主人公こそが叙事詩の名前にもなっている「ギルガメッシュ」になります。

紀元前2,500年頃、メソポタミアのシュメール時代に栄えた都市国家ウルクの統治者の1人である、英雄的な王であったとされるギルガメッシュを主人公とした物語である。

叙事詩の冒頭には「すべてを見たる人、すべてを知りたる人」から始まり、ウルクの城壁、女神イシュタルの神殿をを築いた事などの王の功績を讃える詩歌が描かれている。

そして、ギルガメッシュの名前は、シュメール王朝の記録に名前が記されていることから、実在した可能性がある人物でもある。

そして、この叙事詩は王を神格化し、歴史、神話、伝承などを1つの物語にした内容のものとなっている。
この物語が成立したのは、紀元前1,800年頃とされている。

そして、現代に至るまで多く国、民族を超えて翻訳、写本が行われ続けたために、物語の細部や言語の違う多くの資料が発見されており、紀元前1,300年頃に作られた物が「標準版」とされています。現在知られている叙事詩の物語は、この標準版に書かれているものとなります。

ギルガメッシュ王の物語

・若き日のギルガメッシュ王

ここから、ギルガメッシュの歩みを解説していきます。

ギルガメッシュは、都市国家ウルクの王ルガバンダとメソポタミア神話の女神ニンスンとの間に生まれた半人半神の王子でもあり、主神エンリル、天空神アヌ、水神エアからの力も授かっていました。

ギルガメッシュは、生まれながらに神々からの祝福を生まれ持ち、美しい容姿や雄々しさ、高い知性と気品を兼ね備えた「偉大な王となるべくして生まれた人物」であった。

だが、彼の高すぎる資質が彼を高慢な人物にしてしまった。
傲慢かつ強欲で民のことも考えず思うがままにふるまう暴君として成長してしまった。

Fateシリーズの弓のギルガメッシュは。この暴君時代が登場していることになっている。

ギルガメッシュの暴君ぶりに耐えかねた民は、神に助けを求めだします。神々をそんな願いを聞き入れ、ギルガメッシュに対して「エルキドゥ」を造り、地上に使わしました。

当初、ギルガメッシュとエルキドゥの2人は敵対していましたが、戦いの末に互いに理解し合い、唯一無二の親友になったりました。

その後、2人は常に共にあって、数多くの冒険や苦難を力を合わせて乗り越えていきました。

ギルガメッシュが暴君へとなった理由として、自身と対等な者が一人もいなっことが原因の1つでもあったがエルキドゥという唯一無二の親友を得たことで、ギルガメッシュは次第に本来あるべきであった賢王になっていきました。

だが、神々はギルガメッシュとエルキドゥの2人を自身たちの脅威になると考えだし、エルキドゥを神罰によって死なせることにしました。

エルキドゥは、神の裁きによりなすすべもなく亡くなってしまい、ギルガメッシュはそれを看取ることしかできませんでした。
ギルガメッシュは、唯一無二の親友のエルキドゥの死によって、彼は深く傷ついたと同時に非常に死を恐れるように萎えいました。

・不死を求める旅

ギルガメッシュは、エルキドゥの死によって「死」を非常に恐れるようになってしまいました。このことが原因で、彼は死の恐怖から逃れるために「不死」の探求のための冒険を始めました。

ギルガメッシュは、「不死」を求めるために「ウトナピシュティム」という人物を探しに行きました。

この人物は、シュメール神話の大洪水から生き延び、不死になったとされる人物です。(旧約聖書のノアの元ネタ、同一人物とも考えられている人物です。)

ウトナピシュティム は、神に近い領域に住んでいるとされ、ギルガメッシュは過酷な旅路の末にようやく辿り着くことができました。

しかし、 ウトナピシュティム は、自分は例外的に不死を与えられただけで、不死の人間はいないとギルガメシュを追い返しました。
だが、ギルガメシュは何度追い返されても引き下がらないために「大洪水のあった日と同様に6日6晩寝ずに過ごす」という試練を与え、この試練を完遂できたなら不死の方法を教えるとしました。

ギルガメシュは試練を挑みますが、失敗してしてしまいました。それによって、失意に沈んでしまったギルガメッシュでしたが、それを憐れに思った ウトナピシュティム の妻が夫を説得して、不死の方法を聞く事ができました。

それは、「死の海」にある「不死の草」によって不死になれるということを聞く事ができました。ギルガメッシュは、必死の思いで、この草を探し出し、ようやく不死になれる希望を得ました。

彼は、祖国ウルクへの帰路の途中に念願叶ったことによって気のゆるみが生じ、水浴びをしている最中に必死になって得た「不死の草」をたまたまと現れた蛇に食べられてしまいました。

このことによって、蛇は不死の性質として「脱皮」の性質を得たとされています。

ギルガメッシュは、必死に得た成果も失い、不死の探求を断念し祖国へ帰還しました。これによって、彼の物語は静かに幕を閉じます


余談ですが、FGOに登場するキャスターのギルガメッシュは、旅より帰還した後の成長したギルガメッシュとして登場しています。

叙事詩が伝えていること

このギルガメッシュ叙事詩は、過去の先人たちからの物語を通しての強いメッセージが含まれていると感じ取れます。

まず、ギルガメッシュの親友エルキドゥ
彼の存在を通して、暴君であったギルガメッシュは良き王と、人間としても大きく製糖したといえます。このことから、友情を尊さ、大切さを説き、伝えていると考えます。

不死の探求の後にギルガメッシュは、国へ帰国し自身が死ぬ行くことを受け入れて、良い統治を行ったという。彼が探求の道中に受けた「日々をよりよく生きるべき」と言う言葉は非常に教訓的であったといえる。

この叙事詩は、強いメッセージ性と教訓性を持ち、それを伝えていると言える。

 最後

いかがだったでしょうか、今回は「ギルガメッシュ」についての紹介記事となりました。これを読んで興味を持ちましたら、ご自身でもっと調べていくのもよいと思います。

投稿者 link

コメントを残す